今回は、仙台市青葉区上杉で長年愛され続けている雑貨店「大きな青い馬」の店主、前田ひろみさんにお話を伺いました。
店名に「馬」とありながら、店内には所狭しと並ぶ魅力的な「猫」グッズの数々。創業から約40年、器や雑貨を扱いながら、猫の保護活動や地域づくりにも情熱を注ぐ前田さんの、優しくも熱い想いに迫ります。
【インタビュー】仙台・上杉で40年愛される「大きな青い馬」。猫グッズに込められた店主・前田ひろみさんの想いとは
仙台市青葉区上杉。落ち着いた街並みの中に、ひときわ温かい雰囲気を放つお店があります。「大きな青い馬」。1986年の創業以来、多くのファンに親しまれてきたこのお店は、ユニークな店名と、こだわり抜かれた猫グッズで知られています。
なぜ「馬」なのに「猫」なのか。そして、お店を通して伝えたいメッセージとは。店主の前田ひろみさんにじっくりと語っていただきました。
「馬なのになぜ猫?」子供たちも笑うユニークな店名の由来
――まずは、とても印象的な「大きな青い馬」という店名の由来から教えていただけますか?
実は、ドイツ表現派の絵画のタイトルから取った名前なんです。
創業当時は、陶器や手染め、手織りのもの、そして絵画などを扱うお店でした。現在は商品の95%くらいが猫グッズになっているので、近所の小学生なんかにはよく指をさされて「馬なのに、なんで猫なの?」って笑われていますよ(笑)。
――創業から約40年とお聞きしました。お店を始められたきっかけは?
1986年のオープンなので、もう40年近くになりますね。
私自身、小さい頃から手工芸品や絵画等が好きで、美術系の専門学校で学んでいたんです。ただ、自分は「作る」ほうではなく、作家さんの素晴らしい作品を「売る」ほうが向いているなと思い、このお店でアルバイトをし始めました。
作家の魂がこもった「猫作品」との出会い
――店内には個性豊かな猫グッズが並んでいますが、どのような基準で選ばれているのでしょうか?
全国の作家さんが作ったものなどをセレクトしています。
例えば、孔雀明王や千手観音を模した猫のTシャツなど、ちょっと変わったものもありますよ。これらは名古屋の作家さんが仏様を猫でデザインして作っているんです。
選ぶ基準は、やはり私自身がその作品を見て「好きだな」「面白いな」と感じるかどうかですね。作家さんの作品には、絵だけでなく、文章や音楽など、その人の内面がどうしても滲み出るものです。作品を通して「この人は本当に猫に愛情を持っているんだな」と感じられるものをお客様に届けたいと思っています。
――猫グッズを専門的に扱うようになった経緯を教えてください。
もともとは、作家さんの個展を開く際に、片隅で少しだけ私の好きな猫グッズを置いていたんです。そうすると、個展の作品を目当てに来たお客様でも、猫グッズを見て「あら、猫お好きなの?」と会話が弾むことや、猫グッズをお買い求めになるお客様が多くて。
「皆さん、実は猫が好きなんだ!」と気づき、徐々に猫のものを増やしていった結果、今の形になりました。
お店は「猫好き」が集うコミュニティ
――お客様との距離がとても近い印象を受けます。
そうですね。40年近く営業させて頂いていますので、昔からのお客様もいらっしゃいますし、10年ぶりにふらっと立ち寄って「元気だった?」なんて声を掛けてくださる方もいます。
猫を飼い始めたお客様がスマホで写真を見せてくださって、そこから「猫談義」に花が咲くことも日常茶飯事です。ただ物を売るだけでなく、そういった温かい繋がりが生まれる場所でありたいと思っています。
「保護猫」活動と、地域への想い
――前田さんは、猫の保護活動にも力を入れていらっしゃいますね。
私自身、幼い頃から動物に囲まれて育ちました。大人になってから、知人の庭で野良猫が産んだ子を引き取ったのが、今の猫との暮らしの始まりです。
お店では「猫まつり」というイベントを通して里親募集のコーナーを設けたり、猫を拾って困っている方と保護団体さんを繋いだりしています。私個人で全ての猫を保護することはできませんが、保護団体さんに連絡を取り、不幸な猫を少しでも減らすお手伝いができればと思っています。
――これから猫を迎えたいと考えている方に伝えたいことはありますか?
ペットショップで購入するのではなく、ぜひ「里親になる」という選択肢を考えていただきたいですね。「行き場のない猫ちゃんを家族に迎える」ということが当たり前の世の中になって欲しいと願っています。
また、野良猫を見かけた時に、無責任に餌だけをあげるのは避けてほしいです。かわいそうだからと餌をあげると、そこで繁殖してしまい、結果的に不幸な命が増えてしまいます。もし関わるなら、不妊手術をするなど、責任を持った行動をお願いしたいですね。
動物にも、人にも優しい街へ。「上杉猫プロジェクト」
――最後に、今後のビジョンや目標について教えてください。
数年前から、「上杉猫プロジェクト(上杉猫ストリート)」という構想を持っています。
ここからイオン仙台上杉店さんまでの通りを、猫にも人にも優しい通りにしたいんです。動物に優しい街というのは、お年寄りや子供、障がいを持つ方など、社会的弱者と言われる人々にも優しい街だと思うんです。
猫だけに限らず、生きとし生けるもの全てに愛情を持って接することが出来る、そんな温かい社会になっていけばいいなと思っています。
【取材後記】
「大きな青い馬」は、単なる雑貨店ではありませんでした。そこは、商品への敬意、猫への深い愛情、そして地域の人々を繋ぐ優しさが詰まった、街のステーションのような場所です。
「猫が好き」「雑貨が好き」という方はもちろん、少し温かい気持ちになりたい方は、ぜひ上杉の「大きな青い馬」を訪ねて、前田さんとお話ししてみてはいかがでしょうか。きっと、素敵な出会いが待っています。
店舗情報
- 店名: 大きな青い馬
- ホームページ: https://www.aoiuma.jp/
- 取扱商品: 猫雑貨、Tシャツ、他

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