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INTERVIEW

「最期まで、その人らしく」―― 生活支援サービス こころ 代表・赤間純子が歩んだ福祉の道

生活支援サービス こころ 代表 赤間 純子 氏

松島町出身、3人きょうだいの末っ子として育ち、現在は旅行とアーティストの藤井風さんを愛する赤間純子さん。
長年OLとして勤務していた彼女が、なぜ福祉の道へと進み、独自の視点で生活支援サービスを展開するに至ったのか。その背景には、ご自身の壮絶な家族介護の経験と、「最期までその人らしく」という強い信念がありました。

今回は、「生活支援サービス こころ」の赤間代表に、起業の経緯からサービスに込めた想い、そして今後の展望についてお話を伺いました。

予期せぬ家族の病と、導かれるように福祉の道へ

――まずは、赤間代表が福祉の道に進まれたきっかけを教えていただけますか。

最初に関わったのは20歳の頃です。祖母が寝たきりになり、共働きだった両親に代わって私が介護をしていました。当時はまだ介護保険制度もない時代でしたが、意外にも私は介護に対して抵抗がなく、「こういうこと好きかも」と感じていたんです。

その後、20年近くOLとして働いていましたが、介護保険制度が始まった頃に「将来役に立つかも」とヘルパーの資格だけは取得していました。今思えば、何かに導かれていたのかもしれません。

転機となったのは、家族の相次ぐ病気でした。母が胆管がん、父が肺がんを患い、両親ともに闘病生活となりました。母を見送り、父を見送り、さらに父が亡くなる直前には兄にも膵臓がんが見つかり、49歳という若さで亡くなりました。

そしてその3年後、今度は姉にも膵臓がんが見つかり、5年闘病の末、61歳で亡くなりました。

私自身、OLを辞めて介護の世界に飛び込んだ矢先の出来事でしたが、まるで家族の介護をするための準備期間だったかのように感じています。

「医療」と「ケア」の狭間で学んだ、本当に大切なこと

――介護現場でのご経験の中で、特に印象に残っているエピソードはありますか。

訪問入浴の仕事をしていた時のことです。ある寝たきりの利用者様がいらっしゃったのですが、お風呂に入ると血圧が下がってしまう状態でした。しかし、ご家族は「母はお風呂が大好きなんです。万が一のことがあっても責任は問わないので、母の想いを叶えてあげたい」とおっしゃいました。

その想いを訪問看護師に伝えたところ、「そんな危険なことはしないで」と止められたのです。病院勤務が長い看護師さんにとって、リスク回避は当然の判断です。しかし、在宅介護の目的は「その人らしい生活」を送ること。ここで私は、医療的な安全と、本人の願いを叶えるケアとの違いを痛感しました。

最終的には往診の先生の後押しもあり、入浴を叶えてあげることができました。この経験から、「最期までその方の想いに寄り添い、叶えてあげることの大切さ」を深く学びました。それが今の私の活動の原点になっています。

「ただの付き添い」ではない。専門職としての通院サポート

――現在展開されている「生活支援サービス こころ」では、どのようなサポートを行っているのでしょうか。

主に独居の方や、ご家族が遠方・お仕事で忙しい方を対象に、通院の付き添いやお買い物の同行・代行などを行っています。

特に力を入れているのが「通院介助」です。ただ病院へ連れて行くだけではありません。事前にケアマネジャーやご家族から身体状況や生活の様子をヒアリングし、診察室まで同行して医師に正確な情報を伝えます。そして、医師からの指示や注意事項をしっかりと聞き取り、再びご家族やケアマネジャーに共有します。

――情報の橋渡し役も担っているのですね。

はい。例えば「採尿をしてきて」と言われた際、その方が歩けるのか、車椅子なのか、立位が保てるのかによって必要な介助は全く異なります。身体状況を把握していないと、院内で転倒事故などが起きるリスクもあります。
スタッフ全員が介護の有資格者ですので、専門的な視点で安全を守りながら、ご本人と周囲の方々が安心できる環境を整えることを重視しています。

施設紹介から患者会まで、多角的な支援を展開

――昨年立ち上げられた施設紹介事業「スマイルケア」や、膵臓がん患者支援団体「パンキャンジャパン」での活動についても教えてください。

「スマイルケア」は、在宅生活に限界を感じた方へ施設を紹介するサービスです。こだわりは、必ず私たちが実際に施設へ足を運び、環境やスタッフの対応を自分の目で確かめること。「この方ならこの施設が合うかも」と、まるで家族のような視点で見極めてご紹介しています。

また、「パンキャンジャパン宮城支部」の事務局長も務めています。私自身、きょうだいを二人とも膵臓がんで亡くしており、自身も「家族性膵がん」のリスクがあります。次の世代に不安を残したくないという想いから、患者さんと医師をつなぎ、早期発見や正しい情報の啓発に取り組んでいます。

人生は一度きり。顔を上げて楽しく生きるために

――最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

兄も姉も両親も見送って思うのは、「人生は一度きり」だということです。どんなに辛いことがあっても、下を向いているより、上を向いて美味しいものを食べて、楽しく生きていきたいですよね。

父、母、兄、姉を介護し、全員看取りも経験し、当時の家族として思い、介護と仕事の両立で悩み、自分の経験の中で辛かったこと、誰かに頼りたかったこと、そんな思いが、すべて今の私の仕事に繋がっています。

一人で悩まないでください。声を上げれば、必ず誰かが手を差し伸べてくれます。私たちも専門家や地域のネットワークと連携して、全力でサポートします。皆様が笑顔で、自分らしく暮らせるお手伝いができれば、私にとってもそれが一番のやりがいであり何よりの幸せです。


【企業情報】
生活支援サービス こころ
ホームページ:https://www.big-advance.site/s/144/1524

【メディア情報】
VOICE SENDAI
URL:http://voice-sendai.com/

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杜の都散策ライター

はじめまして、「Voice Sendai」でWEBライターを務めるO.Wと申します。仙台生まれ仙台育ちの地元っ子として、杜の都の隠れた名店から四季折々の絶景スポットまで、地元ならではの視点でお届けしています。特に牛タンや笹かまぼこといった郷土料理から、定禅寺ストリートジャズフェスティバルや七夕まつりなどの伝統行事まで、仙台の食と文化に精通。幼い頃から読書が好きで培った文章力と、地元への深い愛着を組み合わせ、歴史的背景や文化的価値も交えた深みのある記事作りを心がけています。プライベートでは市内各所のカフェ巡りが趣味で、仙台のコーヒーシーンにも詳しいです。「Voice Sendai」では「地元民だからこそ知る仙台の魅力」をモットーに、観光客だけでなく地元の方にも新たな発見をお届けできるような記事を目指しています。仙台にお越しの際は、ぜひ私の記事を片手に街歩きを楽しんでください。

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