はじめに
『モペットちゃんのおはなし』は、好奇心旺盛な子ねこと、すばやいねずみの小さな知恵比べを描いた絵本です。短いのに、ちゃんとハラハラして、読み終わるとくすっと笑いが残ります。
*本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。ネタバレはしない方針で、結末や核心に触れずに『モペットちゃんのおはなし』の感想をまとめます。
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この記事でわかること
- 『モペットちゃんのおはなし』の読後感(どんな気分が残る?)
- あらすじ(結末に触れない範囲)と読み味
- 印象に残ったポイント3つ(絵・テンポ・後味)
- 合う人/合わない人(買う・見送る判断材料)
- 読み聞かせのしやすさ・年齢目安・大人にも刺さる点
導入
仙台の冬って、駅の中はぬくぬくなのに、外に出た瞬間だけ空気が「キュッ」と冷たいですよね。コートの前を閉め直して、ついコンビニのホットドリンクに手が伸びる、あの感じ。
その日も用事のついでに本棚を眺めていたら、薄い一冊が目に入りました。軽い気持ちで開くつもりが、私はこういうとき勢いで読み切ってしまう癖があって。短い話なのに、どこか“油断すると持っていかれそう”な気配がして、期待と警戒が半々のまま連れて帰りました。
本の概要
好奇心旺盛な子ねこ・モペットちゃんが、ねずみを見つけてつかまえようとします。でも相手はすばやく、思わぬ形でモペットちゃんは頭をぶつけてしまうことに。そこで思いつく“小さな作戦”が、かわいさとずるさの間を行ったり来たりします。テンポは軽やかで、絵の情報が物語をぐいっと進めます。
印象に残ったポイント3つ
ポイント1:小さな駆け引きが、予想以上にスリリング
この絵本、見た目のやさしさに反して、駆け引きの熱量がちゃんとあります。ねこが「つかまえたい」と思った瞬間から、ねずみは“ただの獲物”じゃなく、対等な相手として動くんですよね。だから読んでいる側も、自然と「どっちが一枚上手かな」と目が離せなくなります。
しかも、作戦が大げさじゃないのがいい。子どもが思いつきそうな範囲の工夫で、でもそれが効くかどうかは分からない。その不確かさが、私には逆にリアルに感じました。かわいい話に見えて、ちゃんと“勝負の緊張”がある。だから読み終えたあとに残るのは、甘さだけじゃなくて、少しの高揚感です。
ポイント2:絵の「間」が、読む速度を気持ちよく整える
絵本って、文章量だけでテンポが決まるわけじゃないんだな、と改めて思いました。視線の誘導、余白、動きの見せ方。ページをめくるたびに、こちらの呼吸が“ちょうどよく”整えられていきます。
私には、短編アニメのワンシーンを追いかけている感覚に近かったです。派手な演出はないのに、動きが見える。ねずみの軽さ、モペットちゃんの勢い、ちょっとした表情の変化。読み聞かせでも黙読でも、目が勝手に次を求めるので、結果として「え、もう終わり?」となる速さで読み切ってしまいます。
ポイント3:くすっと笑いながら、後味に小さな棘が残る
モペットちゃんは愛らしいのに、完璧に“いい子”ではないところが、この本の芯だと思います。失敗して、ちょっと悔しくて、そこで思いつくのが正々堂々ではない作戦だったりする。その人間(ねこ)っぽさが、私は好きでした。
ただ、読み手の年齢や気分によっては「それ、ずるいよね」と引っかかるかもしれません。だからこそ、読み終えたあとに会話が生まれやすい絵本でもあります。「モペットちゃん、どう思った?」「ねずみ側だったら?」みたいに。私は大人として読むと、かわいさの奥にある“ちょい意地悪なユーモア”が効いて、笑いながらも少しだけ考えさせられました。
合う人・合わない人
合う人
- 短い絵本でも起伏がある話が好きな人
- ねこ・小動物の表情や動きに弱い人
- 読み聞かせで「次どうなる?」を引き出したい人
- くすっと笑える、少し小悪魔っぽいユーモアが好きな人
- 大人でも絵本で気分転換したい人
合わない人
- 登場人物(登場ねこ)が終始“お利口”でいてほしい人
- 教訓がはっきりした、まっすぐ優しい話だけを求める人
- 長い余韻より、物語の厚みを重視する人(短さが物足りないかも)
“今読むなら”おすすめのタイミング
- 寝る前に、頭を切り替えたい5分
- 親子で「どっち派?」と会話したいとき
- 仕事や家事の合間に、短く気分転換したいとき
- ねこ好きの友だちに、軽くプレゼントを探しているとき
- 梅雨どきの仙台で、アーケードに入った瞬間の“ほっとする感じ”がほしい日
読み聞かせ・年齢目安・大人にも刺さるところ
読み聞かせのしやすさ(文章量・リズム・間)
文章は長すぎず、絵が状況をはっきり伝えてくれるので、読み聞かせはかなりやりやすい印象です。声に出すときは、急いで読まずに、ページを見せる“間”を少し多めにすると、モペットちゃんの勢いがより伝わります。
年齢目安(断定せず体感)
私の体感では、絵を追える子なら楽しめます。たとえば3〜6歳くらいから「ねこだ!」「ねずみだ!」と入れそうで、小学校低学年でも駆け引きを面白がれると思います。もちろん、集中できる時間や怖がり度合いは子によるので、反応を見ながらが安心です。
大人に刺さるポイント
大人が読むと、かわいさだけじゃなく「負けたくない」気持ちの出方が妙にリアルで、そこが面白いです。また、日本語版は訳者の違いで言葉の手触りが変わることがあるので、もし手に取れるなら数行読み比べて「この口調、好きだな」を基準に選ぶのもおすすめです。
まとめ
『モペットちゃんのおはなし』は、短い絵本なのに、ちゃんと勝負があって、ちゃんと笑えて、ちょっとだけ引っかかりも残る一冊です。私は「かわいい」で終わらないところに惹かれました。
読み聞かせなら会話のきっかけになりやすいし、大人のひとり読みにも向きます。絵本棚の前で迷ったとき、「軽く読めるのに、気分が変わるやつ」がほしい人には、かなり相性がいいと思います。
読み終えたあと、くすっと笑えて、ほんの少しだけ目が冴える気持ちが残る一冊です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 何歳くらいから楽しめますか?
A. 絵で状況が追える子なら入りやすいと思います。体感では3〜6歳くらいから反応が出やすく、小学生でも駆け引きとして面白がれます。ただ、怖がりかどうかで感じ方が変わるので、最初は一緒に読んで様子を見るのが安心です。
Q2. 読み聞かせはどれくらい時間がかかりますか?
A. 文章量は多くないので短めです。とはいえ、絵を見せる“間”を取ると満足度が上がるので、急いで読み切るより、ページごとに反応を待つ読み方がおすすめです。
Q3. こわい話ですか?
A. 雰囲気は明るめですが、「つかまえる/つかまらない」の緊張はあります。怖がりな子には、先に「ねこさんとねずみさんのかけひきだよ」と軽く伝えてから読むと、受け止めやすいかもしれません。
Q4. どの訳を選べばいいですか?
A. 版によって言葉の調子が少し変わることがあります。できれば冒頭を数行読み、読み聞かせなら「声に出して気持ちいいか」、ひとり読みなら「自分のテンポに合うか」で選ぶと失敗しにくいです。
Q5. シリーズを順番に読まないと分かりませんか?
A. このお話は単体でも輪郭がつかみやすく、初見でも楽しめるタイプだと思います。気に入ったら、同じ世界観の別の絵本に手を伸ばす、くらいの入り方でも十分です。


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