仙台の人達の、リアルな声を届けるメディア

BOOK

Book of Violet!秋津 1 (HARTA COMIX)室井 大資 (著)

はじめに

*本記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。ネタバレはしない方針で、『秋津 1』の感想と、あらすじ(ネタバレなし)の輪郭をまとめます。室井大資さんの『秋津 1 (HARTA COMIX)』は、めんどくさくて繊細で、憎めない漫画家の父と、しっかり者の息子がぶつかりながら暮らす日常コメディ。読後感は、肩が少し軽くなる感じでした。

秋津 1 (HARTA COMIX)

新品価格
¥614から
(2026/1/16 14:07時点)

冒頭要約

「秋津 1 感想」を先に言うと、厄介な人ほど愛おしく見えてしまう瞬間がある日常コメディです。父は問題児、息子は達観、会話は火花。それでも読み終えるころには、ふたりの距離が少しやわらかく見える余韻が残りました。

この記事でわかること

  • 『秋津 1』の空気感と、あらすじの輪郭
  • 印象に残ったポイント3つ(どこが笑えて、どこが刺さるか)
  • どんな人におすすめか/合わない可能性がある人
  • 読みやすさ(テンポ・情報量・疲れにくさ)

導入

梅雨どきの仙台は、アーケードに入った瞬間だけ空気がしっとりして、傘のしずくが床に小さな点を打ちます。用事のついでに本屋へ逃げ込んで、棚の前で立ち止まったとき、図書館の貸出レシートがしおり代わりに挟まったままの一冊が目に入りました。「秋津」という文字が気になって、つい勢いで手が伸びたんです。日常コメディって、ハマると最高だけど、テンションが合わないと置いていかれる怖さもある。半々の気持ちで、ページを開きました。

本の概要

漫画家の父・秋津薫と、小学生の息子・秋津いらか。奇行や暴言が飛び出す父に、息子が振り回されつつも家庭を回していく、親子の修羅的日常コメディです。父と子の距離を笑いで照らしつつ、後味はあたたかい。大事件で引っ張るより、会話の間と温度で読ませるタイプ。軽く読めるのに、ふと胸の奥をつつかれる回が混ざります。

印象に残ったポイント3つ

ポイント1:父が“厄介”なのに、読んでいる私が見捨てきれない

秋津薫は、ひと言で片づけたくなるくらい、いろいろやらかします。言い方がきつい、めんどくさい、拗ねる、急に熱くなる。現実で近くにいたら、私は一呼吸おきます。それでもこの作品は、父をただの迷惑キャラにしない。こちらが「もう無理」と思いかけたところで、ふっと小さな弱さや繊細さが見える瞬間があって、読者の気持ちが少し戻されるんです。だから簡単に切り捨てられませんでした。

その“戻し方”が上手いから、笑いが意地悪になりません。父の言動を見て「腹立つな」と感じても、同時に「この人、余裕がないだけかも」とも思えてしまう。私はここで、距離を取りつつ見守るって難しいよね…と、ちょっとだけ自分の生活に引き寄せました。

ポイント2:息子が立派すぎて、笑いながらも少し切なくなる

息子のいらかは、父が面倒だからこそ、逆に落ち着いて育っている。ここがこの漫画の優しさだと思います。大人が子どもに守られてしまう構図って、しんどくなりやすいのに、作者は日常の温度でさらっと見せる。いらかの言葉選びや距離の取り方が上手で、読んでいて「私もこうやって受け流せたら楽かも」と思いました。加えて、いらかが“子どもらしく”揺れる瞬間がちゃんとあって、そこに胸がきゅっとします。その揺れが、笑いを人間味に変えてくれます。

音楽でいうと、派手なサビじゃなくて、Aメロのリズムで気持ちを整えてくれる感じ。笑いの中に、静かな生活の強さが残るんです。父に振り回されても折れない“しなやかさ”が、私にはいちばん刺さりました。

ポイント3:短い積み重ねが、読後感をじわっと変えてくる

この作品は、大事件で驚かせるというより、言い合い・すれ違い・小さな和解(ときどき再燃)を積み上げていきます。だから途中からでも笑えるし、疲れている日に少しだけ読むのにも向く。1話ごとに区切りがあるので、読み切れない罪悪感が出にくいのも好きでした。読み終えるたびに「もう1話だけ」と手が伸びる中毒性もあります。

そして不思議なのが、読み進めるほど「この家は今日も大変だな」と笑いつつ、同時に「大変でも続いていくって、案外すごい」と思えてくるところ。コメディなのに、読み終わったあとに残るのは“誰かと暮らす”リアルな熱です。翌日もふと思い出して、少しだけ顔がゆるむ。そこが『秋津 1』のおすすめポイントだと感じました。

合う人・合わない人

合う人

  • 会話劇が好きで、ツッコミと間で笑いたい人
  • 「家族って面倒」を笑いに変える作品が読みたい人
  • 短いエピソードを少しずつ読んでいきたい人
  • クセの強いキャラに振り回されるのが楽しい人

合わないかもしれない人

  • 暴言や言い争いのテンションが苦手な人
  • 静かな日常より、明確な目的や大きな展開を求める人

“今読むなら”おすすめのタイミング

  • 気分が落ち込み気味で、重い話は避けたいけど、軽すぎるのも嫌なとき
  • 通勤・通学の移動時間に、1話ずつ区切って読みたいとき
  • 家族や同居人とぶつかったあと、「まあ、うちだけじゃないか」と思いたいとき
  • 秋の夕方、金木犀の匂いでふっと立ち止まった日に、気分転換の一冊として

まとめ

『秋津 1 (HARTA COMIX)』は、父の厄介さを笑い飛ばしつつ、息子の強さと優しさがじんわり効いてくる日常コメディでした。序盤のテンションが合うかどうかで、相性を判断するのがいちばん早いと思います。

読み終えたあと、呼吸が楽になるような気持ちが残る一冊です。

秋津 1 (HARTA COMIX)

新品価格
¥614から
(2026/1/16 14:07時点)

よくある質問(FAQ)

Q1. 『秋津 1』はどんな「ギャグマンガ」ですか?

A. ドタバタだけで押し切るというより、父と息子の会話の火花や、生活のズレで笑わせるタイプです。爆笑より、じわっと効く感じです。

Q2. 『秋津 1』のあらすじをもう少しだけ知りたいです。

A. 漫画家の父・秋津薫が引き起こす言動に、息子のいらかが振り回されつつも、日々を回していく物語です。親子の距離感が、喧嘩と笑いの中で少しずつ形になっていきます。

Q3. 読みやすさはどうですか?

A. 1話のまとまりがよく、テンポも軽めです。会話のノリが合うかどうかで体感は変わりますが、疲れている日でも読み進めやすい作りだと感じました。

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
Violet

Violet

リードするライター。

仙台生まれ・仙台育ちの31歳。読んだ本を紹介します!小説・絵本・ミステリ・海外文学・マンガ・映画・散歩など、嫌いなこと以外は好きです!

  1. Book of Violet!秋津 1 (HARTA COMIX)室井 大資 (著)

  2. Book of Violet!モペットちゃんのおはなし (ピーターラビットの絵本) ビアトリクス ポター (著) 川上 未映子 (翻訳)

コメント

この記事へのコメントはありません。

RELATED

PAGE TOP