冬の仙台といえば「せり鍋」。名取産の“仙台せり”は、根っこまで食べるのが最大の魅力です。本稿では「せり鍋 仙台 レシピ」を探している方向けに、家庭で失敗しない作り方、根せりの下処理、だし3通り、締め3選、そして旬・入手先までを一気通貫でまとめました。
[画像:完成した仙台せり鍋の写真をここに挿入]
仙台せり鍋とは?(2分で概要)
せり鍋は、根・茎・葉を丸ごと味わう仙台・宮城の冬の定番鍋。特に名取市を中心に栽培される「仙台せり」は根が太く、香り・歯ざわりが格別です。旬のメインは冬の「根せり」。葉の柔らかさを楽しむ春の「春せり」と使い分けられます。
- 根せり(冬せり):おおむね9〜3月(地域・年により前後)
- 春せり(葉せり):4〜6月ごろ
- 産地の中心:宮城・名取市(県内シェアが非常に高い)
- 2024年3月、「仙台せり」がGI(地理的表示)に登録
材料と道具(基本/置き換え可)
基本食材(2人分の目安)
- せり(根付き):200g(2把)
- 鶏もも肉:250〜300g(鴨薄切りもおすすめ)
- ごぼう:1/2本(ささがき)
- 長ねぎ:1/2〜1本(斜め切り)
- きのこ:まいたけ100gなど
- 木綿豆腐:1/2丁(150〜200g)
あると便利な道具
- ボウル2つ(根の泥落とし用/すすぎ用)
- ブラシ or 古い歯ブラシ(根用)
- 片手鍋(出汁取り)、土鍋(本番)
- 具材は2倍、つゆは水1200mlを起点に、塩分は味見しながら少しずつ。
根せりの下処理:泥落としと“20秒ルール”
[画像:根の泥落とし(ブラシで洗う様子)の写真をここに挿入]
1)泥・ひげ根を落とす
- 大きめのボウルに水を張り、根をこすり洗い。泥水を捨てて2〜3回繰り返し、ひげ根は気になる分だけ間引く。
2)部位ごとに切り分け
- 根:3〜5cm、茎:4〜5cm、葉:ざく切り。根・茎・葉は別皿に分けておく。
3)絶対に煮すぎない
- 食べる直前に根は“約20秒”さっと、葉・茎はしゃぶしゃぶ感覚で。シャキ感が命。
基本レシピ(仙台流)/所要約20分
- 鍋につゆを用意(下の「だし3通り」から選択)。
- つゆを沸かし、鶏肉→ごぼう→ねぎ→豆腐・きのこの順で火を通す。
- 根→茎→葉の順に加え、根は20秒、葉・茎はさっとくぐらせて食卓へ。
- えぐい/泥っぽい → 洗い不足。最初の水はすぐ捨て、2〜3回すすぐ。
- 食感が弱い → 加熱しすぎ。根20秒・葉はしゃぶしゃぶで。
- 香りが弱い → 最後に葉を入れて火を止め、余熱で。
だし×肉の「味」比較:3通り
① 鶏がら×鶏もも(王道・コク系/2人分)
- 水600ml、酒大さじ1、しょうゆ大さじ1、塩小さじ1/3、和風顆粒だし小さじ1/2
- 鶏の旨味とごぼうの香りで安定の仙台家庭味。迷ったらコレ。
② 昆布&かつお×鴨(香り高い上品系/2人分)
- 水600ml、昆布5×5cm 1枚を30分浸す→弱火で加熱し沸騰直前で外す、かつお節10gを1〜2分浸してこす。
- しょうゆ大さじ1.5、みりん大さじ1、酒大さじ1で調味。鴨薄切りをさっと。
③ めんつゆで時短(キリッと甘辛/2人分)
- 水600mlに3倍濃縮めんつゆ 大さじ4。味を見て塩で微調整。
- 家にある材料で最短15分コース。鶏手羽・もも、どちらも合う。
- 塩分は最後に具を入れてから調整(せりを入れると薄く感じにくい)。
- 香りづけに柚子皮・柚子胡椒少量でキレが出る。
[画像:3種類のだし(鶏がら/昆布かつお/めんつゆ)のイメージ写真をここに挿入]
締めの楽しみ方3選
1)雑炊
- ご飯 茶碗1杯、つゆを軽く煮立て、溶き卵1個を回しかけて半熟に。仕上げに小口ねぎ。
2)そば
- ゆでそばを別茹で→つゆにくぐらせる。鴨×昆布かつおだしと好相性。
3)うどん
- 茹でうどんを投入。しょうゆをひとたらし、胡椒を少々で締める。
どこで買う?仙台せりの入手先と旬
- 地元直売所・物産館:冬は入荷が増える。午前中が鮮度◎。
- オンライン(産地直送・ふるさと納税):根付き表記・到着日指定で鮮度確保。
- 目利きのポイント:根が白く太い/ひげ根がみずみずしい/葉はピンとする。
- 「仙台せり」は2024年3月27日にGI登録。産地品質の目印に。
- 宮城県内では名取市発の流通比率が高いため、旬期の供給が安定。
仙台で味わう:名店&体験のコツ
- 提供時期:根せりを楽しむなら秋〜早春。店により通年提供も、根付きは季節限定が一般的。
- 予約:冬の人気シーズンは事前予約推奨。根の有無も要確認。
- 注文のヒント:最初は鴨×だし香り系、次に鶏×コク系で食べ比べも◎。
Q&A(よくある質問)
Q. 根がかたい/泥っぽい…
A. 洗い不足が原因。ボウルの水はすぐ濁るので、数回すすぎ直しを。泥のポケットは指とブラシで。
Q. 子ども向けに優しい味にしたい
A. めんつゆ時短ベースを薄めに作り、卓上で塩・醤油を足す運用が簡単。
Q. 鴨が手に入らない
A. 鶏ももで問題なし。皮目を軽く焼いてから煮るとコクUP。
まとめ
「仙台せり鍋」は、根のジャキッとした食感、茎のシャキ感、葉の香りが揃って初めて完成します。根は20秒、葉はしゃぶしゃぶを守れば、家庭でも店のような味に。だしは「鶏がら」「昆布かつお」「めんつゆ」の3通りで気分に合わせて。旬の冬は直売所や産直でも手に入りやすいので、今季こそ“本場の一杯”を家で再現してみてください。
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