仙台の温泉旅は北へ広がる|秋保・作並だけじゃない「北エリア&鳴子」の魅力

「仙台で温泉に行こう」と考えたとき、まず思い浮かぶのは秋保温泉や作並温泉という方が多いかもしれません。でも、仙台から北へ目を向けると、里山の風景に囲まれた日帰り温泉や、のんびり湯治が楽しめる歴史ある温泉郷など、また違った表情の温泉が待っています。
この記事では、仙台から足を延ばして楽しめる北エリアの温泉として「加護坊温泉さくらの湯」「やくらい薬師の湯」、そして湯治文化が息づく「鳴子温泉郷」をピックアップ。街ぶらとセットで楽しむ日帰り温泉旅から、2〜3泊の湯治プランまで、仙台発での具体的な楽しみ方を紹介します。
「車でどれくらい?」「公共交通でも行ける?」「どんな過ごし方が合っている?」といった疑問にも触れながら、あなたにぴったりの温泉旅のヒントをお届けします。
仙台から行ける温泉エリアをざっくり整理
仙台周辺の温泉エリアは、おおまかに次のように分けられます。
- 仙台市内・近郊のスーパー銭湯・日帰り温泉
- 秋保・作並など「仙台の奥座敷」と呼ばれる定番エリア
- 大崎・加美方面の北エリアにある里山・高原の温泉
- さらに足を延ばした鳴子温泉郷などの温泉地
本記事では、このうち「北エリア」と鳴子温泉郷にフォーカス。秋保・作並とはまた違う、のどかで素朴な時間が流れる温泉旅の魅力を掘り下げます。
こんな人におすすめの「北へ向かう」仙台温泉旅
- 日帰りで、ドライブや街歩きと一緒に温泉も楽しみたい
- 観光地すぎない、素朴な雰囲気の温泉が好き
- 連休にちょっと長めに休んで、体をととのえる湯治をしてみたい
- 仙台の温泉は秋保・作並しか行ったことがないので、新しいエリアを開拓したい
この記事で紹介する3つのスポット

- 加護坊温泉さくらの湯(大崎市):里山風景の中でのんびりできる日帰り温泉
- やくらい薬師の湯(加美町):高原リゾート気分で楽しめる温泉施設
- 鳴子温泉郷(大崎市):複数の泉質を楽しめる、湯治文化が息づく温泉地
加護坊温泉さくらの湯で楽しむ、里山街ぶら日帰り旅(大崎市)
田園風景と里山に囲まれたエリアにある加護坊温泉さくらの湯は、地元の方にも愛される日帰り温泉施設。名前の通り春には桜の名所である加護坊山とセットで楽しむ人も多く、のどかな景色と温泉でほっと一息つきたい日にぴったりのスポットです。
加護坊温泉さくらの湯ってどんなところ?
内湯と露天風呂を中心としたシンプルな構成ながら、ゆったり浸かれる浴槽と落ち着いた雰囲気が魅力。広めの休憩スペースや食事処もあり、半日〜1日の滞在でものんびり過ごせます。
泉質は、体の芯からぽかぽか温まるタイプ。冷えが気になる人や、日々の疲れをじんわりほぐしたい人におすすめです。

加護坊温泉さくらの湯。
写真提供:宮城県観光戦略課
加護坊温泉さくらの湯 基本情報(目安)
- 住所:宮城県大崎市田尻エリア(詳細な住所・地図は公式情報をご確認ください)
- 営業時間:日中〜夜にかけて営業(曜日・季節で変動する場合があります)
- 主な設備:内湯・露天風呂・サウナ・休憩スペース・食事処 など
- ポイント:再入浴がしやすい休憩スペースや、地元食材を使ったメニューも人気
- 最新情報:料金・営業時間・定休日等は「加護坊温泉さくらの湯 公式」で検索のうえご確認ください
仙台からのアクセス
車の場合
- 仙台市街地から高速道路を利用して約1時間前後が目安
- 最寄りインターチェンジからは一般道で数十分ほど
- 冬季は路面凍結や積雪があるため、スタッドレスタイヤなどの準備がおすすめ
公共交通の場合
- 仙台駅からJRを利用して大崎方面へ
- 最寄り駅から路線バスまたはタクシーでアクセス
- 本数が限られることもあるので、事前に時刻表をチェックしておくと安心です
周辺の街ぶらスポット
加護坊温泉さくらの湯の周辺は、田園風景と里山が広がるのどかなエリア。季節ごとの景色を楽しみながら、ちょっとした街ぶらも楽しめます。
- 加護坊山自然公園:春は桜、ほかの季節は里山の散策が楽しめるスポット
- 産直・直売所:野菜や米、地元ならではの加工品など、おみやげ探しにもぴったり
- カフェ・食堂:昔ながらの定食屋さんや、地域に根ざした喫茶店など、素朴な味わいが楽しめるお店も
加護坊温泉さくらの湯 日帰りモデルコース
時間に余裕をもって、ゆったり過ごしたい人向けに、仙台発の日帰りモデルコースをイメージしてみましょう。
- 9:00頃|仙台市内出発
のんびりドライブしながら北へ。途中のサービスエリアや道の駅で休憩しても◎ - 10:30〜11:00頃|加護坊温泉さくらの湯に到着
まずは1回目の入浴で体をあたため、館内の雰囲気をチェック。 - 12:00頃|館内または近くのお店でランチ
地元食材を使ったメニューがあればぜひ味わってみてください。 - 13:30〜15:00頃|周辺街ぶら&加護坊山散策
季節の景色を楽しみながら軽く散歩。写真撮影や、産直でのお買い物もおすすめ。 - 15:30頃|再び温泉へ
歩いてほどよく疲れた体を、再び温泉でリフレッシュ。露天風呂で夕方の景色を眺めるのも贅沢な時間です。 - 17:00〜18:00頃|仙台へ帰路
暗くなる前に余裕をもって出発。途中で夕食を済ませてから帰るのも良いですね。
やくらい薬師の湯と高原リゾート街ぶら(加美町)
加美町の高原エリアに位置するやくらい薬師の湯は、山並みや季節の花々に囲まれたリゾート感のある温泉施設。やくらい高原やガーデン、道の駅などと組み合わせれば、1日たっぷり遊べるエリアです。
やくらい薬師の湯の魅力
広々とした内湯や露天風呂に加え、家族で楽しめる浴槽やサウナなど設備が充実しているのが魅力。高原の空気を感じながら浸かる露天風呂は、季節ごとに違った表情を見せてくれます。
休憩スペースも比較的ゆったりしており、温泉→ごはん→昼寝→また温泉、といった「高原ごろごろコース」が楽しめるのもポイントです。

やくらい薬師の湯。
写真提供:宮城県観光戦略課
やくらい薬師の湯 基本情報(目安)
- 住所:宮城県加美郡加美町の薬莱山周辺エリア
- 営業時間:日中〜夜にかけて営業(季節や曜日により変更の可能性あり)
- 主な設備:内湯・露天風呂・サウナ・家族風呂・休憩スペース・食事処 など
- 人気ポイント:ボリュームのある定食や地元食材メニュー、高原の景色を眺めながらの入浴
- 最新情報:料金・営業時間・定休日等は「やくらい薬師の湯 公式」で検索し、最新情報をご確認ください
仙台からのアクセス
車の場合
- 仙台市街地から高速道路+一般道で約1時間半前後が目安
- やくらい高原エリアは冬季に雪が多い地域のため、冬のドライブは時間と装備に余裕を持って
公共交通の場合
- 仙台駅からバスやJR+バスを乗り継いでアクセス可能な時期もありますが、本数が限られる場合があります
- 最新の運行情報・路線・時刻表は、加美町や交通事業者の公式情報で確認してから計画するのがおすすめです
周辺の街ぶら&寄り道スポット
- やくらいガーデン:季節の花々やイルミネーションイベントなど、時期ごとに違った楽しみ方ができます
- 薬莱山:軽めのハイキングや景色を楽しむドライブにも◎
- 道の駅・直売所:地元の野菜や加工品、乳製品など、高原ならではのおみやげ探しにぴったり
やくらい薬師の湯 高原リゾート日帰りモデルコース
- 9:00頃|仙台市内出発
朝のうちに出て、山並みを眺めながらドライブ。 - 10:30〜11:00頃|やくらい高原エリア到着
やくらいガーデンや周辺散策で、のんびり高原の空気を満喫。 - 12:30頃|高原ランチ
カフェやレストラン、道の駅などでランチ。季節のメニューがあればチェックしてみましょう。 - 14:00頃|やくらい薬師の湯でゆったり入浴
内湯と露天風呂を行き来しながら、日頃の疲れをじっくりリセット。 - 15:30〜16:00頃|休憩スペースでごろごろ
売店で飲み物や軽食を買って、のんびり昼寝タイムもおすすめです。 - 17:00頃|仙台へ帰路
日没前に山を下りて、余裕を持って仙台へ戻りましょう。
鳴子温泉郷でのんびり湯治|仙台発2〜3泊モデルプラン
泉質の豊富さで知られる鳴子温泉郷は、昔ながらの湯治文化が今も続く温泉地。日帰り入浴もできますが、せっかくなら2〜3泊して、じっくり体をととのえる滞在をしてみたいところです。
鳴子温泉郷の特徴と雰囲気
鳴子温泉郷には、鳴子温泉・東鳴子温泉・川渡温泉・中山平温泉など、いくつかの温泉地が集まっています。泉質や雰囲気がそれぞれ異なり、外湯めぐりをしながらお気に入りの湯を見つける楽しみも。
昔ながらの旅館や自炊湯治宿も多く、温泉地全体にどこか懐かしい空気が漂っています。「派手な観光地」というよりは、「自分のペースで静かに過ごす場所」をイメージするとしっくりくるはずです。

鳴子温泉郷の街並み。
写真提供:宮城県観光戦略課
鳴子温泉郷 基本情報(目安)
- エリア:宮城県大崎市鳴子周辺
- アクセス:仙台駅から鉄道(一度乗り換え)でアクセス可能。かつては仙台〜鳴子温泉間の高速バスも運行していましたが、現在は運休となっています。
- 特徴:多様な泉質、湯治宿の多さ、共同浴場や足湯が充実
- 見どころ:鳴子峡の景色、鳴子こけしの工房、素朴な商店や食堂
- 最新情報:交通・イベント・施設情報は「鳴子温泉郷 公式」などでご確認ください
自分に合った湯治スタイルを選ぶ
鳴子温泉郷での湯治は、ざっくり分けると次のようなスタイルがあります。
- 自炊湯治宿タイプ:キッチンや共同炊事場があり、食材を持ち込んで自分のペースで滞在したい人向け
- 素泊まり+外食タイプ:素泊まりで泊まりつつ、食事は周辺の食堂・カフェなどで楽しむスタイル
- 旅館の湯治プランタイプ:湯治向けの連泊プランや、少し長めの滞在向けプランを用意している旅館を利用するスタイル
初めての湯治なら、食事付きの湯治プランや、素泊まり+外食スタイルなど、あまり構えずにチャレンジできる形を選ぶと安心です。
鳴子での「1日の過ごし方」イメージ
2〜3泊の湯治を想定した、とある1日の過ごし方の例です。
- 7:00〜8:00|朝風呂&朝ごはん
人が少ない時間帯の温泉で1日のスタート。食事付きプランなら、朝食後にもう一度ひと浸かりしても。 - 9:30〜11:30|散歩&外湯めぐり
鳴子の街を歩きながら、共同浴場や足湯に立ち寄り。こけし工房や神社など、小さな寄り道スポットも豊富です。 - 12:00〜13:00|地元の食堂でランチ
ラーメンや定食、郷土料理など、その日の気分で選びましょう。 - 13:30〜15:30|宿に戻って休憩・昼寝・読書・仕事
湯上がりのまどろみタイム。ワーケーション的にPC作業をする人もいます。 - 16:00〜17:30|夕方の温泉タイム
日没前後は、湯けむりの雰囲気がいちばんよく感じられる時間帯。外湯に足をのばすのもおすすめ。 - 18:00〜20:00|夕食&夜のくつろぎ時間
食事のあとは、軽くもうひとっ風呂浴びたり、本を読んだりして、早めに休むのが湯治ならではの贅沢です。
仙台発2泊3日・鳴子湯治モデルプラン
- 1日目|夕方チェックインで肩慣らし
午前は仙台での用事を済ませ、午後〜夕方に鳴子へ移動。到着したらまずは1〜2回温泉に浸かり、土地の雰囲気に慣れましょう。 - 2日目|湯治メインの日
朝〜夜まで、入浴・散歩・昼寝・読書・仕事などを繰り返しながら、ひたすら自分のペースで過ごす1日。あえて予定を詰め込まないのがポイントです。 - 3日目|午前中まで湯治、午後に少し観光
午前中にもう一度しっかり温泉に浸かり、チェックアウト後に鳴子峡やこけし工房などを軽く散策。そのまま仙台へ戻れば、心も体もすっきりした状態で日常に戻れます。
シーン別・仙台から行く温泉の選び方
ここまで紹介してきた3つのスポットを、シーン別に整理してみましょう。
日帰りでサクッとリフレッシュしたい人
- 加護坊温泉さくらの湯:田園と里山に癒やされながら、のんびり過ごしたい日に
- やくらい薬師の湯:ドライブや高原散策とセットで楽しみたいときに
自然の景色も一緒に楽しみたい人
- 春〜初夏:加護坊山ややくらいガーデンの花々と温泉をセットに
- 夏:高原の涼しさを感じられるやくらいエリア
- 秋:鳴子峡の紅葉と鳴子温泉郷の湯治
- 冬:雪景色の中の露天風呂や、静かな鳴子での湯治
じっくり体をととのえたい・ワーケーションしたい人
- 鳴子温泉郷の湯治宿:2〜3泊以上の滞在で、生活リズムごと整えたい人にぴったり
- 日中は読書や仕事、朝夕は温泉という「温泉ワーケーション」にも向いています
家族連れ・カップルで楽しみたい人
- 広い休憩スペースや食事処がある施設を選ぶと、子ども連れでも過ごしやすくなります
- 家族風呂や貸切風呂がある施設なら、プライベートな空間でゆっくり過ごすことも可能です
- ドライブコースや立ち寄りスポットを事前にピックアップしておくと、移動時間も含めて楽しい思い出になります
仙台発・温泉旅をもっと楽しむコツ
最後に、仙台から北エリアや鳴子温泉郷へ出かける際に知っておきたいポイントをまとめます。
季節別の服装・持ち物
- 春・秋:昼と夜の寒暖差が大きい時期。羽織ものやレッグウォーマーなど、体を冷やさないアイテムがあると安心です。
- 夏:高原や山あいは夜になると涼しく感じることも。汗をかいた後に冷えないよう、着替えを多めに。
- 冬:雪道のドライブに備えた防寒具はもちろん、足元が冷えないように厚手の靴下やカイロもおすすめです。
- 温泉用のタオル・洗顔料やスキンケア類は、いつものものを持っていくと肌トラブルを防ぎやすくなります。
- ゴロゴロしながら過ごす湯治には、読みたい本やタブレット、アイマスクなどもあると便利です。
車・公共交通利用時のポイント
- 車の場合:冬季はスタッドレスタイヤやチェーン、雪用ワイパーなどの準備を。山間部は天気が変わりやすいので、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
- 公共交通の場合:バスやローカル線は本数が限られることも多いため、往復のダイヤを先に確認してから施設や街ぶらの計画を立てるのがおすすめです。
計画の立て方と、次に読みたい関連記事
初めて訪れるエリアの場合は、ざっくりと次の順番で計画を立てるとスムーズです。
- 「日帰り」か「1泊以上」かを決める
- 行きたい温泉施設(または温泉地)をまず一つ決める
- 往復の交通手段と大まかな時間を押さえる
- 空いた時間に入れる「街ぶら」「ごはん」「カフェ」「景色スポット」を選ぶ
VOICE SENDAIでは、今後「秋保温泉」「作並温泉」など仙台周辺の他エリアや、仙台駅周辺のグルメ・カフェ情報もあわせて紹介していく予定です。今回の北エリア&鳴子温泉郷と組み合わせて、「自分だけの仙台温泉旅マップ」を作ってみてくださいね。

まとめ|仙台の温泉旅は、北へ伸ばしてもっと楽しく
仙台の温泉といえば秋保・作並が定番ですが、北へ少し足を伸ばせば、里山の風景に癒やされる加護坊温泉さくらの湯や、高原リゾート気分が味わえるやくらい薬師の湯、そして湯治文化が今も息づく鳴子温泉郷など、さまざまな表情の温泉が待っています。
日帰りで街ぶら+温泉を楽しむプチ旅から、2〜3泊の湯治でじっくり体をととのえる旅まで、目的や気分に合わせて選べるのが「仙台の温泉旅は北へ」の魅力です。
次の休日は、いつもとは少し違う方向にハンドルを切って、北エリアの温泉へ出かけてみませんか?きっと新しいお気に入りの温泉と、心に残る景色に出会えるはずです。

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