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INTERVIEW

仙台のクワガタ・カブトムシ専門店「CIEL」 初心者からブリーダーまで集う昆虫ショップの挑戦

仙台の今を伝えるインタビューメディア「VOICE SENDAI」

今回は、仙台市内でカブトムシ・クワガタムシの専門ショップを運営する「CIEL」を取材しました。
初心者からベテランまで魅了する豊富な品揃えに加え、業界でも珍しい「貸棚(レンタルルーム)」サービスを展開するなど、独自の取り組みで注目を集めています。

同社代表の木谷氏と、自身も熱心な愛好家である店長の栗原氏に、お店のこだわりや昆虫飼育の魅力、そして今後の展望についてお話を伺いました。


初心者からベテランまで楽しめる、充実の飼育環境

――まずは、クワガタムシ・カブトムシ専門ショップ CIELの事業内容とお店の特徴について教えてください。

当店では、初めて虫に触れるような初心者の方から、長年飼育を続けているベテランのブリーダーの方まで、どなたがいらっしゃっても満足いただけるよう、生体から飼育用品まで幅広く取り扱っています。
店内の広さを活かして、仙台・宮城エリアでもトップクラスの品揃えを誇っていると自負しています。カブトムシもクワガタも、飼育に必要なものは全てここで揃いますよ。

――お店独自の「貸棚ルーム」というサービスがあると伺いました。これはどのようなものでしょうか?

店舗が入っているビルの5階住居区画を丸ごと改装し、「貸棚ルーム」として運営しています。
月額5,000円でスペースをお貸ししており、お客様はそこで幼虫や成虫を飼育することができます。

このルーム最大の特徴は、24時間365日、22℃〜24℃の温度管理が徹底されていることです。
自宅で本格的に飼育しようとすると、夏場や冬場のエアコン代などの空調管理が大変ですが、ここなら常に最適な環境で安心して飼育できます。さらに、マット交換などの作業ができるスペースや道具も完備しています。

そして一番のメリットは、貸棚をご契約いただいたお客様は、ご自身がブリード(繁殖)させた個体を当店の2階店舗で委託販売できるという点です。

「好き」が高じて店長へ。失敗しない飼育のコツとは

――栗原店長は幼少期から昆虫がお好きだったそうですね。

子供の頃から生き物が大好きでした。最初はペットショップなどで見て憧れていたんですが、当時は昆虫専門ショップなんてありませんでしたから、夏場にデパートなどで買ってもらうのが楽しみでした。
実は私、元々はこのお店のお客さんだったんです。別の仕事をしていた時期に木谷代表と出会い、そのご縁で店長を任せていただくことになりました。

――元お客様だったとは驚きです。飼育のプロである店長から見て、飼育のコツやアドバイスはありますか?

やはり「温度管理」が一番重要ですね。
私自身、昔は温度を気にせず飼ってしまい、失敗した経験があります。日本の四季の温度変化は、特に外国産の昆虫にとっては過酷な場合があります。
当店の貸棚ルームのような一定の温度環境を用意することで、失敗なく、そして大きく育てることができます。初めての方には、そういった私の失敗談も含めて、長く楽しんでいただくためのアドバイスをさせていただいています。

こだわりの「ワイルド個体」と品質管理

――生体や用品へのこだわりについてもお聞かせください。

当店では、海外から輸入した「ワイルド(野生)」の個体に力を入れています。
専門の卸業者を通すことで、現地で採集されてから間もない、非常に元気な状態の生体を仕入れています。やはり野生の個体はいつ寿命が来るかわからないリスクもありますが、その分、生命力や美しさといった魅力があります。採算度外視になることもありますが、「見て楽しんでいただく」ことを重視して積極的に仕入れています。

用品に関しても、独自のこだわりがあります。
例えば当店で使用・販売している「マット(昆虫用の土)」は非常に高品質なものです。一般的にマットというとコバエが湧くイメージがあるかもしれませんが、当店のものは湧きにくく、さらに自社ブリードでも使用して大型個体が育つ実績のあるものです。
これを実際に見て、その品質の高さに納得して購入されるお客様も多いですね。

イベント事業のノウハウを活かし、飼育人口を増やしたい

――異業種から昆虫ショップを始められたきっかけは何だったのでしょうか?

私は元々、20年近くイベント運営会社を経営しておりまして、昆虫に関しては店長ほど深い経験があったわけではありません。
きっかけは、子供と一緒に昆虫採集をする中で、あらためてその楽しさや魅力を実感したことでした。そこから、「これまで20年続けてきたイベント事業のノウハウを活かせば、うちにしかできない昆虫ショップができるのではないか」と考えるようになりました。

まずはネット販売からスタートし、昨年の2024年12月15日に実店舗をオープンしています。

これまで仙台市内では、住宅展示場や量販店などで様々な昆虫イベントを開催してきました。イベントというのは、もともと昆虫が好きな人ではなく、普段あまり馴染みのない「通りがかりの人」に魅力を伝える場です。実際に触れ合ってもらうことで興味を持っていただき、そこから店舗へ足を運んでもらい、飼育の楽しさにつなげていく。「クワガタ・カブトムシの人口を増やし、楽しさを知ってもらうこと」、そして「地域に貢献すること」。イベントと実店舗を連携させるこの取り組みは、20年のイベント事業で培ってきた経験があるからこそ実現できた、当社ならではの形だと考えています。

――今後の展望についても教えてください。

今後は、当店にしかできない規模の大型昆虫イベントを計画しています。
一般的な昆虫イベントは、昆虫ショップ同士が集まって開催するケースが多いと思いますが、私たちはこれまでイベント運営を長年手がけてきた強みがあります。

その経験を活かし、昆虫業界だけにとどまらず、大手企業様にも協賛いただきながら、より大きなスケールのイベントを目指しています。
会場も、大型施設を使用し、「年に一度、仙台で必ず開催される昆虫イベント」として定着させていきたいと考えています。

「仙台には、あの昆虫イベントがあるよね」と自然に話題に上がるような存在になり、街の文化の一部として根付いていくことが理想です。

現在、関東と比べると、どうしても東北エリアは昆虫飼育の熱量が低いのが現状です。
だからこそ、まずは仙台を拠点に、東北全体の昆虫文化を盛り上げていくことに貢献したい。
それが、私たちの最終的なゴールです。

――最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

クワガタやカブトムシは「夏の風物詩」と思われがちですが、温度管理さえすれば一年中楽しめる趣味になります。
初心者の方には「何から始めていいかわからない」という不安があると思いますが、当店に来ていただければ一からサポートいたします。まずは見るだけでも構いませんので、ぜひ遊びに来てください。

「昆虫が好きだけど、まだ踏み出せない」という方や、かつて夢中になっていた大人の方々にこそ来ていただきたいですね。
見るだけでワクワクするような空間を作ってお待ちしております。仙台に昆虫飼育という文化を、もっと広げていければと思っています。


【取材後記】

「親子の隠れ家」のような落ち着いた雰囲気の店内と、マニアも唸る画期的な貸棚システム。
「好き」を仕事にした栗原店長の情熱と、イベント事業で培ってきた木谷代表の経験や視点が合わさり、見事に融合したクワガタムシ・カブトムシ専門ショップ CIELは、仙台の昆虫ファンにとって欠かせない存在となりそうです。
興味を持たれた方は、ぜひ一度お店を訪れてみてはいかがでしょうか。

■取材協力

カブトムシ・クワガタムシの専門ショップを運営する「CIEL」

住所:宮城県仙台市宮城野区五輪2-13-18 三洋ビル2F ※2024年12月15日オープン

営業時間:11:00-19:00

定休日:火曜日(変更の可能性あり。詳しくはXをご確認ください)

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O.W

O.W

杜の都散策ライター

はじめまして、「Voice Sendai」でWEBライターを務めるO.Wと申します。仙台生まれ仙台育ちの地元っ子として、杜の都の隠れた名店から四季折々の絶景スポットまで、地元ならではの視点でお届けしています。特に牛タンや笹かまぼこといった郷土料理から、定禅寺ストリートジャズフェスティバルや七夕まつりなどの伝統行事まで、仙台の食と文化に精通。幼い頃から読書が好きで培った文章力と、地元への深い愛着を組み合わせ、歴史的背景や文化的価値も交えた深みのある記事作りを心がけています。プライベートでは市内各所のカフェ巡りが趣味で、仙台のコーヒーシーンにも詳しいです。「Voice Sendai」では「地元民だからこそ知る仙台の魅力」をモットーに、観光客だけでなく地元の方にも新たな発見をお届けできるような記事を目指しています。仙台にお越しの際は、ぜひ私の記事を片手に街歩きを楽しんでください。

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